日経) LCCをさらに伸ばすために

LCCをさらに伸ばすために

日本初の格安航空会社(LCC)であるピーチ・アビエーションが就航して来月1日で1周年の節目を迎える。
「飛行機は速いけれど割高」という常識に挑戦し、LCC3社はかなり健闘した。
ピーチが飛ぶ関西国際空港―新千歳路線をみると、2011年3〜12月の総旅客数が86万人、就航後の同じ時期に126万人まで伸びた。
顧客の食い合いは起こらず、安さを武器にあまり飛行機に乗ったことのない層の需要を掘り起こした。
去年の夏は、北海道の主要観光地は活況を呈した。

経営面での課題は薄利多売でも利益の出る事業基盤をつくることだ。
利用者の視点からしても、路線網の拡大が待たれる。首都圏、関西圏と札幌、福岡、那覇を結ぶ基幹路線が中心だった。
今後は地方路線や海外路線の開設が課題になる。LCCを受け入れる空港側の取り組みも重要だ。
成田空港は利用時間に制約があり使い勝手がいいとは言いがたい。地元の理解を得つつ乗客利便を向上する工夫が必要だ。